ピアニストのマルタ・アルゲリッチと協演の多かった指揮者がクラウディオ・アバド。2013年3月にルツェルン音楽祭春でモーツァルト管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第25番と20番を演奏し、ライヴ録音もしました。最晩年のアバドの精巧なテクスチャと、アルゲリッチの流れるようなピアノがマッチ。レコード・アカデミー賞受賞。
幅広いレパートリーを持っていた指揮者ベルナルト・ハイティンクにとって、珍しいのがリヒャルト・シュトラウス。意外にも録音は少ないですが、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮してアルプス交響曲(1985年)と死と変容(1981年)をそれぞれ録音しました。いぶし銀のハイティンクによる誠実でバランス良い響きです。
モーツァルトの歌劇を多くスタジオ録音してきたサー・ゲオルグ・ショルティが、『フィガロの結婚』をレコーディングしたのは1981年の5・6月。首席指揮者を務めていたロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したキングズウェイ・ホールでのセッション録音。引き締まってキビキビとした躍動感ある演奏で米国グラミー賞を受賞。
ルーマニア出身で個性的な指揮者セルジュ・チェリビダッケ。最晩年の1995年9月にミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団とブルックナーの交響曲第9番をライヴ録音しています。全曲で76分50秒という遅さでじっくりと描いたブルックナーの未完の最後のシンフォニー。長時間露光した星空の写真のように、チェリビダッケが描いた軌跡とは。
セルジュ・チェリビダッケが最も得意とした作曲家がブルックナー。第8番についても録音がいくつかありますが、晩年の1993年9月のミュンヘンでのライヴ録音は極めつけの遅さ。これでもかというほどブルックナーの音を丹念に描いた個性的な演奏です。オランダのエジソン賞受賞盤。
1978年からロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督を務めたカルロ・マリア・ジュリーニ。最初のシーズンでベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を取り上げました。1960年に初めてレパートリーに入れて一度封印した「英雄」を1977年に再度学び直し、そしてロスフィルと録音に臨みました。しっかりとした骨格に歌心が溢れます。
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