リサイタルが続きます
ここのところピアノ・リサイタルを聴きに行く機会が増えてきました。2月10日(金)は福間洸太朗さんの国分寺いずみホールリサイタル、2月25日(土)はラファウ・ブレハッチのサントリーホール・リサイタル(紹介記事)に行き、昨日3月4日(土)は再び福間洸太朗さんの東京オペラシティ公演へ。
Twitterでツイートしましたが、素晴らしかったです。
こちらは東京オペラシティに貼ってあったポスターなんですが、「ピアニスト百花繚乱」というタイトルで1月から3月にトップ・ピアニストたちの演奏会が続いています。私が行ったラファウ・ブレハッチ@サントリーホールと福間洸太朗@東京オペラシティも入ってますね。
東京オペラシティ・コンサートホールでの初リサイタル
東京オペラシティには小規模(265席)のリサイタルホールと大規模(1632席)のコンサートホールがあります。福間さんはピアノ協奏曲ではのコンサートホールでの演奏会がありましたが、ソロでのリサイタルをコンサートホールでおこなうのは初。2月10日の国分寺公演でのトークでも楽しみにしていると語っていた福間さん。
アフタヌーン・コンサートで夜にちなんだ曲を
13時半開演という「アフタヌーン・コンサート」でしたが、福間さんが考えたプログラムのテーマは「ナハトムジーク (夜の音楽)」。フランスのラ・フォル・ジュルネ音楽祭で披露したプログラムを、日本の方にも聴いてもらいたいという意思だそうです。
曲目は、
- J.S.バッハ (ジロティ編曲):G線上のアリア
- W.A.モーツァルト (福間洸太朗編曲):アイネ・クライネ・ナハトムジーク KV525
- クララ・シューマン:ノットゥルノ Op.6-2
- ロベルト・シューマン:子供の情景 Op.15 より『トロイメライ』、幻想小曲集Op.12 より『夜に』、『夢のもつれ』
- アルフレート・グリューンフェルト:ウィーンの夜会〜J.シュトラウスⅡの『こうもり』のワルツ主題による演奏会用パラフレーズ Op.56
休憩
- フレデリック・ショパン:ノクターン第2番 Op.9-2、第13番 Op.48-1
- ガブリエル・フォーレ:ノクターン 第5番 Op.37
- クロード・ドビュッシー:ベルガマスク組曲より『月の光』
- モーリス・ラヴェル:夜のガスパールより『オンディーヌ』
- カミーユ・サン=サーンス(リスト編曲):死の舞踏
そしてアンコールに
- セリム・パルムグレン:3つの夜想的情景より第1曲『星はまたたく』Op.72ー1
- オットリーノ・レスピーギ:6つの小品より第3曲『ノットゥルノ (夜想曲)』
という夜の作品たち。
ちなみに昨日は気温が20℃近くまで上がる快晴の天気で、オペラシティの中庭からも太陽が燦々と降り注いでいました。
東京オペラシティの天然木を活かした天井の高いホールは音響も居心地も最高。前半はドイツ・オーストリア系の作曲家でまとめ、癒やされるバッハのG線上のアリアから始まり、福間さん自身の編曲によるアイネ・クライネ・ナハトムジークで力強く締めくくり、そしてクララ&ロベルトのシューマン夫妻の作品を堪能。グリュンフェルトの『ウィーンの夜会』はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートでおなじみの作曲家ヨハン・シュトラウス2世による主題を編曲したもの。超絶技巧でした。
福間さんの演奏会ではプログラムの解説や聴きどころを語ってくれるトークのセッションもあるので、初めて聴く作品であっても安心して楽しめるのが嬉しいですよね。
後半はフランス系 (ショパンはポーランド出身ですがフランスに拠点があったので)の作曲家。ショパンとフォーレのノクターンを聴き比べ、ドビュッシーの『月の光』の癒やし、ラヴェルの難曲「夜のガスパール」の水の精『オンディーヌ』での多彩な彩り。そしてサン=サーンス(リスト編曲)の『死の舞踏』では圧倒的な超絶技巧でクライマックス。
アンコールではたぬ〜んも登場
実はこの演奏会の前にYouTube でプレトークを公開していた福間さん。ジャパン・アーツのWebページでも書いてありますが。ジャパン・アーツのゆるキャラ、たぬ〜んとの対談形式でこのリサイタルの聴きどころをYouTube動画にしています。
アンコールでは、たぬ〜んのぬいぐるみも登場し、生声を披露してくれました。アンコール2曲目のレスピーギのノットゥルノでは最後の音をたぬ〜んが演奏するという演出も。
演奏もトークも大いに盛り上がったオペラシティ公演でした。
ピアノ:福間 洸太朗
演奏:2023年3月4日, 東京オペラシティ・コンサートホール
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