この投稿では、ヴィルヘルム・バックハウスによる1953年のブラームスのピアノ協奏曲第1番の録音に焦点を当てています。モノラル録音でありながら、バックハウスの独特なロマンティックさと技術が際立ち、指揮者カール・ベームとの協演が印象的です。音質は現代に比べると劣りますが、一聴する価値がある名演奏と評価されています。
オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と名指揮者カール・ベームの意外なコラボレーション。コンセルトヘボウでの演奏会に13回しか指揮していませんが1955年にモーツァルトの交響曲5曲を録音しています。厳格な演奏で意外な組み合わせだからこその魅力があります。
カルロ・マリア・ジュリーニはドヴォルザークの第7番以降の交響曲を何度も録音していて、1990年代の晩年にはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とレコーディングしました。1993年2月の第7番はコンセルトヘボウの重々しい響きとジュリーニならではの歌が相まって、独特の世界を作っています。
パーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団によるブルックナー交響曲第8番のアルバムが2022年9月に録音されました。この録音は、同オーケストラによる51年ぶりのブル8で、国際クラシック音楽賞(ICMA)で最優秀交響楽部門を受賞しました。澄み切った響きで伽藍洞のように響かせています。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスターを務めるアンドリス・ネルソンスは、そのポストに就く前の2016年からブルックナーの交響曲全集に取り組みました。ヴァーグナーの楽曲を添えて壮麗な響きで堪能できるブルックナーの新たな魅力を引き出しています。
ブルックナーを度々演奏、録音してきたヘルベルト・フォン・カラヤンは晩年の1980年代後半にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と交響曲第7番と8番を録音しましたが第9番はありませんでした。しかしベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した1985年11月24日の万霊節での映像があり、晩年のカラヤンの境地を感じます。
イタリア出身の指揮者ジュゼッペ・シノーポリは、イギリスのフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者時代に、マーラーの交響曲全集を完成させました。心理学を学んだシノーポリによる独自の解釈で、決して表面的な美しさやエキゾチックさだけではない新たなマーラー像を描いています。
ドイツ出身の指揮者クルト・ザンデルリングは1963年6月にライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とブルックナーの交響曲第3番をセッション録音しています。晩年のゆったりとしたテンポの巨匠風のテイストが壮年期のこの演奏にも漂い、ゲヴァントハウス管を鳴らし切ってスケールの大きな演奏に仕上げています。フィナーレのコーダに圧倒されます。
ピアニスト福間洸太朗さんの新アルバムはスクリャービンとラフマニノフの作品にフォーカスした「幻想を求めて」。リサイタルでも勢力的に取り上げた飛翔するようなスクリャービンと沈むようなラフマニノフの対比がされています。相模湖交流センター、ラックスマン・ホールでの録音。
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