サー・ゲオルグ・ショルティはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と度々共演し、録音も数多くおこなっています。エルガーの交響曲第1番は1972年、ショルティが「サー」の称号を得た年の録音。首席指揮者に就任した年の1979年の序曲「南国にて」での滑らかで完成された演奏も白眉です。
サー・ゲオルグ・ショルティはあまりドヴォルザークを録音してきませんでしたが、交響曲第9番「新世界より」を1983年1月に、70歳にして初めてレコーディングしました。シカゴ交響楽団の持ち前のパワフルさとショルティらしい劇的な表現が聴きどころです。
リヒャルト・シュトラウスを得意としたサー・ゲオルグ・ショルティは、「ツァラトゥストラはかく語りき」と「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」をシカゴ交響楽団と1975年5月に録音しています。スーパーオーケストラの面目躍如の演奏で、日本のレコードアカデミー賞と米国グラミー賞をダブル受賞した名盤です。
サー・ゲオルグ・ショルティは意外にもブラームスについてはあまり録音していませんでしたが、ドイツ・レクイエムはシカゴ響と1978年5月に録音しています。ソプラノにキリ・テ・カナワ、そしてマーガレット・ヒリス率いるシカゴ響合唱団のすごさもあり、圧倒的な演奏を聴かせてくれます。
シカゴ交響楽団は、1971年の夏に、同楽団初のヨーロッパ演奏旅行に出掛けます。音楽監督のゲオルグ・ショルティと首席客演指揮者のカルロ・マリア・ジュリーニを引き連れ各国を回りました。その合間にウィーンのゾフィエンザールで録音されたマーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」は、米国グラミー賞で二冠に輝く名盤中の名盤です。
ゲオルグ・ショルティは最初のマーラーの交響曲全集をコンセルトヘボウ管、ロンドン響、シカゴ響を振り分けて完成させていますが、その中で第9番は1967年にロンドン響と演奏しました。ボルテージが高い演奏で全体的にエネルギーがみなぎっています。第4楽章の厚みのある美しさも見事です。
名指揮者サー・ゲオルグ・ショルティは晩年の1996年4月にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とコダーイ、ブラッヒャー、エルガーの変奏曲を録音しました。晩年のリラックスした慈愛に満ちた演奏で、「孔雀」での荘厳さや「エニグマ」での奥深さに驚かされます。
ゲオルグ・ショルティは1958年からウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とヴァーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』の全曲スタジオ録音を実施しました。その大トリを飾ったのが、第二夜『ヴァルキューレ』。ジェームス・キング、レジーヌ・クレスパン、ビルギット・ニルソン、ハンス・ホッターと豪華な歌手陣が見事な存在感を示しています。
デッカレーベルの専属だった指揮者サー・ゲオルグ・ショルティは、シカゴ交響楽団とRCAレーベルに一度だけ録音をおこないました。それが1977年のヴェルディのレクイエムで、ショルティにとってはウィーンフィル盤以来の10年ぶりの再録。ソプラノにレオンタイン・プライスを配して圧倒的な演奏をおこなっています。
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